ドラゴン桜

脚本の妙に尽きるというのがこのドラマの印象だ。原作は東大受験への対策という理論本体にやや重点を置き過ぎている印象を受け、その分「リアリティ、人間の描写、画力(笑)」のなさなど、目に付いてしまう。
対してドラマは実写の分、リアリティが原作より増し、駄目高校の生徒達が抱えるルサンチマンがより濃く描かれているのには、感心する。脚本にて漫画では描ききれない一人一人の人間描写やその背景、ディテールの細やかさを色濃く出すことで、このような漫画原作のドラマが快作へと走り出す。良が『ドラゴン桜』、不良が『はるか17』。同じ漫画原作、しかも週刊モーニングで、このような差が生じてしまったことに、何だかんだ言って、『はるか17』ファンの自分は憤りを感じてしまうのである。