5-01-01から1年間の記事一覧

・・・恐怖症

浮浪者 「教授。」 「はい、・・・なんでしょうか。」 「教授は、今から私をどこへ・・・連れていこうというのですか。」 早坂葵はそれとなく訊くことにした。行き先も分からないまま、ひたすら蛍光灯の光が反射する廊下を進んでいくのは、少しばかり緊張を…

44科の噂については、

雨憑き

入り口から窺える外の景色は、依然としてどこまでも、雨だった。先程に比べ、若干獰猛さは失われたものの、それなりに降りしきる雨の中、他の列が外に消えていくにつれ、わたしたちの列も少しずつ動き始める。人混みが窮屈で、体を簡単に動かすことができな…

ハル保存庫

「・・・俺、ハルのこと女として見れないんだ」 「はひっ」 「・・・俺、ちゅわんでないと駄目なんだ」 「ツ、ツナさん・・・・・・」 「・・・じゃあ、行くから」 「待ってください・・・・・・・・・待ってください、ツナさん」 「・・・・・・・・・」 「…