読書状況報告書

黒笑小説」(東野圭吾
怪笑→毒笑と続いてのブラックユーモア短編集「○笑小説」第3弾です。今回も色々と毒が混じったお話が展開されているのですが、その中でもやはり目を引くのが、名付けて「文壇4連短」です。作家、編集者の様々な視線と当人の思惑は、ただそれだけで計り知れないブラック振りです。特に文壇シリーズのラストを飾る「選考会」は、一人の作家の顛末を語る上で、相応しい“オチ”が待ち受けています。文壇の裏事情を皮肉たっぷりに笑いを込めて書きあげる東野圭吾さんの勇敢さにはただただ感服するのみです。