台風でバイト

夕べ未だ台風14号の強風域圏内の中、バイト先へと自転車を走らせた自分。路上は折れた木の枝に多量の落ち葉。それに混じってプラスチックの容器やどこかから飛んできたのか鉄の看板等様々なものが落ちていた。空は相変わらずのどす黒い雲に覆われ、雨は突風に煽られ横殴りに自分へと降り注ぐ。漕いでいる間、風の勢いと雨の量に鼻と口を塞がれ、息をするのも億劫になるほどだった。時折の突風に体は自転車ごと車道に飛ばされそうで、慎重にペダルを回し、たまに立ち止まっては緊張感と徒労感に打ち拉がれた顔で空を見上げた。
「なんでこんな日に限ってバイトなんだ・・・」
そう呪を吐いて運転していた自分であったが、やがてバイト先の灯を目の端に捉えるとそんな感情もどこへやら。テンション高めに仕事場へと駆けていった。