今、愛に生きます

いま、会いにゆきます

いま、会いにゆきます

ブームが去った後に読了してみる。市川 拓司の作品は「恋愛写真」(だったかな・・・)で一度目にしている。その時の感じたことは、今では頭の隅にも覚えていないのだが、今回「いまあい」を見て一つ思い出したことがあった。前回は主人公が皮膚病餅、今回は色々と難病餅。この人はこういう系の主人公を題材にしたものが得意なのだろうか。ある面主人公がこう普通でない物語はなかなかないので、楽しめる。しかし、主人公のカッコええとこに憧憬を抱くタイプの自分からすれば、こう弱弱しい感じのする主人公にはなんとなく歯痒い。そしてその弱弱しい感じが、物語全体にも浸透し透明感のある心地よい話にしているので、文句はないのだが不満はあり、自分としてはもう少し灰汁の強いものが読みたかった。気分屋の自分の性格からして前文はあまり参考にできる意見ではないのだが、とりあえずは話自体は面白く、落ちもなかなかなので読んでみて損はない。何かに不満もなく文体に馴れさえすれば、一入に最後、感動が待っているはず。そう、思います(多分)