本読みビーチ〜久々の〜




最近、『死神の精度』を噛みしめながら読んでいる。すでに往復して4回目だ。
これは、かなりの良作品。今年のNo.1に違いない。
どの話も、それぞれに珠であり、文は常に楽哀を混ぜた清爽。互いに繋がり、新鮮な試みも垣間見える。6つの短編の一様に富んだバラエティは伊坂幸太郎の核をあらゆる角度から愛でることができ、とても贅沢な短編集だ。短編集としては、最良に属する一冊である。
6つのストーリーの中でも特に『死神vs老女』。
このカタストロフィの精朗さには、本当に参った。文章で見せる美観というのは本当に存在するのだな、と少し涙目にそう感心してしまった。

死神の精度

死神の精度

5つ星・・・☆☆☆☆☆