日本VS北朝鮮戦

W杯アジア最終予選の初戦、日本VS北朝鮮は本当に興奮したものになった。小笠原が前半4分にフリーキックを決めた際には、このまま日本ペースで試合が進むと楽観視していたところ、時間が経つにつれ、北朝鮮も徐々に本来の力を発揮しだし、容赦なく日本ゴールを脅かしていく。後半早々の北朝鮮の選手が放ったヘディングを川口が弾いたところなど日本は再三のピンチを迎え、観衆は北朝鮮の予想以上の実力に息を呑んでいた。そんな場面が続く中、後半16分、サイドから切り込んできた北朝鮮の選手が強烈なミドルシュートを放つ。中央に上げて来るだろうとよんでいた川口の予想を裏切り、川口の必死な反応も空しくボールは日本ゴールの枠の中へ・・・「ああ〜」応援していた我々からも、おもわず落胆の声が洩れる。
しかし、闇の中にも光明。3分後には高原、その2分後には俊輔をピッチに投入。高原はゴール前を駆けずり回って、相手ディフェンダーを翻弄。俊輔は天才の名に相応しいテクニックで何度もチャンスを作っていく。それでも堅い守りで必死に耐え忍ぶ北朝鮮。一進一退の攻防が続く中、後半34分、大黒将志を投入。残り10分、日本は攻め続けるも北朝鮮の守りの堅さにゴールを割ることができない。逆にカウンター攻撃をくらった日本。三都主がこれを体を張って止めに入る。だが、ここで三都主はイラン戦出場停止という代償を負ってしまう。
時間はロスタイムに入る。ロスタイムは3分。このまま引き分けてしまえば、ジーコが当初考えていた初戦の勝ち点3を取りこぼす結果になってしまう。今後のためにも、なんとしても取っておかねばならないこの試合。試合が動いたのはロスタイムが1分経過した時点。小笠原のクロスにキーパーがパンチングで弾いたこぼれ球は、福西の前へ。福西が前線に送ったボールは、途中出場の大黒へ。背後にディフェンダーを抱えていた大黒は、ディフェンダーとキーパーの位置を素早く確認。振り返ると同時に低く抑えるように放ったシュートは、ディフェンダーを交わし、飛び込んだキーパーの下をすり抜ける。日本の勝利を決めたサッカーボールはゴールネットを揺らし、跳ねたまま北朝鮮ゴールを転々としていた。
この瞬間、瞬間最高視聴率57.7%をマーク。スタジオ内にいた観客はもちろん、テレビで観戦していた我々ほか日本中が、歓喜に沸いた。大黒が選手に揉みくちゃにされるシーンに感動するサポーター。直後、北朝鮮もゴールを返そうと懸命になるが及ばず。2-1。日本快勝!ジーコはガッツポーズ。スタジアム内のサポーターは、大黒コールで鳴り止まず、大黒の活躍を称えていたのであった。
(追記)今回はスポーツ記者風に書いてみました。