さまよう刃(東野圭吾)

 さまよう刃
 再び小説読みを再開しての第一作目に当てたこの作品、正直参りました。もっとレビューやらを確認して読んどけばよかったと少し後悔です。初っ端読んだ本がまさか苦虫を噛み潰しながら読むことになろうとは、本を手に取ったときは思いもしませんでした。娘をレイプされ殺されてしまった父親が、その犯人の一人を刺し殺し、復讐の鬼と化したまま、もう一人の犯人を殺すための追跡劇。切ないストーリーが胸にしみます。犯人を殺させたいんだけれども、それは世間、法律が許さない。刑事たちの葛藤と主人公を匿う女性の苦悩。そして最後、男に待っていたものは・・・私がもしこの父親の立場に立たされたとき、いったいどうなるか。そんなことを考えさせられる作品です。(☆4.0/5.0)