誰も知らない

おお〜かわいい

 2004年のカンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品され、長男役の柳楽優弥が日本人初となる男優賞をカンヌ史上最年少で受賞したことでも大きな話題となった『誰も知らない』が8月7日東京のシネカノン有楽町を皮切りに上映が始まる。鹿児島は近日公開とのことである。この作品は明るい話題を振り撒いているが、ストーリー自体はとても暗い話である。詳しくは下のオフィシャルサイトで紹介されているが、一応大方のあらすじを説明しよう。
 とあるアパートの一室に引っ越してきた5人の家族、母のけい子と明、京子、茂、ゆきの4人の子供たち。しかし、大家にはけい子と明の二人暮らしと偽って部屋を借りていた。母子家庭で子供4人もいることを知られると追い出されかねないからである。そこでこの家では「大きな声で騒がない」「ベランダや外に出ない」という新しいルールが決められていた。子供4人はそれぞれ異なる父親を持ち、また学校には通ったことがない。そんな中でも幸せに暮らしていた家族5人。ところがある日、母は好きな人ができたという言葉と共に、現金20万円と「お母さんはしばらく留守にします。京子、茂、ゆきをよろしくね」という置手紙を残したまま明たちの前から姿を消してしまった。この日を境に誰にも知られる事のない子供4人の生活が始まった。  
 というものである。この話は実際に起こった事件を元にしていて、当時も結構な社会問題になったらしい。この映画の背景にある社会性や道徳観は現代でも通用する話であるような気がする。柳楽くんの演技だけでなく、この作品自体のメッセージの重みにも私たちは関心を示す必要があると私は思う。
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