木曜日の話の続き・・・

 REINAさんとカラオケに行った話をしましたね〜  今日はその続きの話です。
 某カラオケ店に二人で入り、REINAさんが帰るまで時間いっぱい歌いたいということで、フリータイムで申し込み、さあいざ、歌わん。テンションも高く最初の2・3時間は普通に楽しく歌うことができた。しかし、4時間目ぐらいになるとだれてきてしまい、もうそろそろ終わろうかな〜という気分になって来ている自分がいることに気付く。そんな時、REINAさんの私用のためのタイムリミットがあと一時間に迫ってきた。再び、二人の歌い手魂に火が点いた。私はラストスパートに十八番を連発で持ってくる。REINAさんも同じくだ。カラオケルームには熱がこもり、Tシャツは汗で湿っている。それでも時にはしっとりと、時には熱く燃えるように歌い上げる。熱さでめまいがする中、ライブハウスで歌っているような気分になってくる。最後の一曲。私は火照った体を静めるために、自称十八番のTomorrow never knowsを入力した。曲が始まると、もうこれでこの楽しい時間は終わりなんだということを自覚し、Tomorrow never knowsは締めくくりに相応しい名曲だな〜と感じることができた。ああ〜ミスチル最高(悦) こうして二人のカラオケは幕を閉じたのである。結局、私達は5時間半も歌っていたのだった。部屋を出て、会計を済ませ、外に出る。心地良い風が体を撫でていく。二人はその場で別れ、それぞれの帰路につく。少し寂しい気はするけどまた会えるさ、と感傷に耽りつつ数歩進んだそのとき、私はある自分の考えに激しいショックを受けてしまっていた。それは親友との別れの辛さから来るものでもなかった。私を束縛する日常に帰る嫌悪感からのものでもなかった。それはフリータイムよりも一時間150円で頼んだほうが300円も安くなるという事実に帰り際、気付いてしまったという喪失感からであった。私は節約できなかった悔しさのあまり手の中にある小銭を強く握り締めていた。しかしどうにもならないことが分かるとこぶしを緩め、掌にあるおつり110円を眺めて、「あと300円もあったのに・・・」とつぶやくと、小銭をポケットに入れ、肩を落としながらとぼとぼと帰っていった。